PSI社会保険労務士法人|東京都港区｜事務所からのお知らせ

労働者のスキルアップや学び直しを支援する目的として、雇用保険の制度の一つとして

令和7年10月1日から「教育訓練休暇給付金」が新設されました。

■制度について

　スキルアップやリスキリングに取り組みたいけれど会社を休むと給料が不安な労働者の方、

　従業員には、離職せずにスキルアップに取り組んでほしいと考える事業主の皆様を対象とし

　休暇（無給）を取得して仕事から離れた場合、失業給付（基本手当）に相当する給付を支給することで、

　訓練・休暇期間中の生活費を保障する制度です。

■支給要件

　●対象となる労働者：雇用保険の一般被保険者（高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者を除く）

　　①休暇開始前２年間に 12 か月以上の被保険者期間があること

　　　(原則11日以上の賃金支払いの基礎となった日数がある月が算定対象)

　　②休暇開始前に５年以上、雇用保険に加入していた期間があること

●対象となる休暇：

　　①就業規則や労働協約に規定された休暇を取得していること

　　②労働者本人の自発的な休暇取得であること

　　③事業主の承認がある30日以上の無給休暇であること

　　④下記の教育訓練等を受けるための休暇であること　

　　　・大学院、大学、短大、高専等、学校教育法に基づく各種学校

　　　・教育訓練給付金の指定口座のある法人等が提供する教育訓練

　　　・司法修習、語学留学、海外大学院での修士号取得等、職業安定局長が定めるもの

　●受給期間・給付日数

　　休暇開始日から１年間(※分割取得可能）

　　給付日数：

　　雇用保険の加入期間　

　　①5年以上10年未満　→ 90日

　　②10年以上20年未満 →120日　

　　③20年以上　　　　 →150日　

　　（※給付額は失業給付の算定方法と同様で休暇開始前の6ケ月の賃金を用いて決定）

　　※給付金を受けとると休暇前の雇用保険の加入期間や被保険者期間がリセットされるので、

　　　給付金受給後6か月以内に退職すると失業給付が受け取れず、6か月以降に退職の場合も

　　　給付日数に影響が出る可能性があります。

■企業側のメリット

この制度により、企業も労働者のスキルアップを後押ししやすくなり、

生産性の向上、従業員の満足度や満足度・定着率等のUPも期待されます。

また　学びを支援してくれる職場のアピールもでき、優秀な人材の確保にもつながります。

企業の成長促進につながる可能性のあるこの制度ですが、

従業員がこの制度を利用するためには、「教育訓練を目的とした30日以上の無給休暇制度」の規定が必要となり、

＜就業規則の整備＞の必要があります。

将来的なメリットを考えこれを機会に教育訓練に関する就業規則の見直しをはかってみてはいかがでしょうか。

就業規則の変更や、社会保険に関する手続代行等、他にもお困りごとなどございましたら、

ぜひ、PSI社会保険労務士法人までご相談ください。

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