PSIコンシェルジュより17(労務監査(社会保険労務士法改正)について)(2026/2/5)
社会保険労務士法(以下社労士法)が令和7年6月に改正され、社会保険労務士の業務に労務監査が含まれることが明記されました。
具体的には、第2条第1項第3号「事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること」という条文の後ろに「これらの事項に係わる法令並びに労働協約、就業規則及び労働契約の遵守の状況を監査すること」という条文が追記されました。
実は今までも、労務監査は「相談・指導」業務に含まれるものと解釈されていて、社労士により実施されていましたが、今回の明確化により労務監査を社労士が担うことへの期待が一層高まるものと思われます。
労務監査とは、会社等の人事労務管理が労働関連法規や社内ルールを遵守しているかを客観的に調査・評価する活動です。監査項目の主な事例は下記のとおりです。
・雇用契約や社内規定、就業規則の整備状況
・労働時間の管理状況、36協定の締結、運用状況
・賃金や割増賃金の支払状況
・社会保険、労働保険の適用状況
・ハラスメント防止措置、安全衛生体制の構築状況 など
労務監査は必ずしも法令で義務付けられているわけではありませんが、近年その重要性やニーズが高まってきています。
・自社の人事労務管理リスクの早期発見と防止
潜在的な法令違反や労務問題のリスクを洗い出し、問題発生を未然に防止します。
事業の急成長による社員の急激な増加など、労働環境が大きく変化する場合などは
労務監査の実施が有益とされています。
・IPO(新規上場)やM&Aにおける人事労務管理の評価
IPOでは上場審査において人事労務管理の状況も審査対象となります。その際主
幹事証券会社から「社労士等の専門家による労務監査を受けてください」と言われる
ケースがあります。またM&Aの法務デューディリジェンスにおいても労務監査は
調査の対象となります。
労務監査は通常、内部監査部門の社内監査の項目にも含まれています。しかし、内部
監査部門に人事労務業務の専門家が在籍していない場合、現場監査が中心であり本社人
事部門への監査が実施されていない場合などは、人事労務管理について専門的で深度
ある監査が実施されにくい状況にあるかもしれません。監査はよく「健康診断」にたと
えられます。人事労務管理の普段なかなか見えにくい専門業務についても、健康診断に
よりリスクの早期洗い出しを行ってみてはいかがでしょうか。
PSI社会保険労務士法人は労務監査の受託についてもご相談させていただきます。
ぜひお問い合わせください。
